「橋梁メンテナンスの合理化を目指した多機能防食デッキに関する技術講習会」で講演を行いました.

土木学会西部支部沖縄会主催の「橋梁メンテナンスの合理化を目指した多機能防食デッキに関する技術講習会(ファシリテーター 下里哲弘 琉球大学工学部附属地域創生研究センター 副センター長)」が11月11日に琉球大学で開催され,道路管理者(首都高速道路株式会社,沖縄県等),コンサルタント,橋梁メーカーなど沖縄県内外より50名が参加しました.
多機能防食デッキは,桁内面への飛来塩分の流入を防ぐだけでなく,点検時の恒久足場,美観の向上など多くのメリットを有しており,防食性能の向上と点検作業時の効率性向上に有効な防食技術で,沖縄地区鋼橋防食マニュアルにも規定されています.本講習会ではこの多機能防食デッキについて,その適用事例や設計・製作等についての考え方について,沖縄総合事務局や首都高速道路といった道路管理者や,多機能防食デッキのメーカーから紹介がありました.また,講習会では地域創生研究センター・エンジニアリングソリューション部門で実施されている共同研究「多機能防食デッキの耐風安定性に関する研究」で得られた,台風環境下において多機能防食デッキに作用する風圧についての成果を発表しました.

技術講習会のプログラムは以下の通りです.
・「沖縄地区鋼橋防食マニュアルにおける多機能防食デッキとその適用事例」
(沖縄総合事務局 開発建築部道路管理課)
・「首都高速道路の恒久足場に関する設計施工要領」
(首都高速道路株式会社 技術部構造技術室設計技術課)
・「多機能防食デッキの設計,製作および施工事例」
(日鉄エンジニアリング,横河ブリッジホールディングス,宮地エンジニアリング)
・「台風環境下における多機能防食デッキの風圧特性」
(琉球大学工学部附属地域創生研究センター)
・実物試験橋の見学会(琉球大学工学部附属地域創生研究センター暴露場)

会場からは,多機能防食デッキのメリットや改善点,そして,設計時の風圧と巨大台風時の風圧挙動についてなど多岐にわたる質疑が行われました.講演の終了後には,琉球大学地域創生研究センター暴露試験場に設置された,実物試験橋梁の見学会も実施し,設置された多機能防食デッキやセンサ機器,防食効果等について実際のものを見て活発な意見交換が行われました.

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